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十手 分解組手
この型は、外観上極めて特異な動作からなっており、また独特な位置付けをされています。
一言でいうと、突きと蹴りが無い型なのです。
第五動作〜第七動作の「騎馬立ち掌底受け」と、第十動作〜第十三動作の「山構え」と呼ばれる両手をL字に構えたまま、膝を高く上げて前進する部分は、今まで公開されたもので納得がいく説明をされたものはありませんでした。
この型は「ジッテ」という音だけの名称に、「十手」という漢字を当てはめたところから、この言葉に何か意味があるように感じてしまったと思います。
いわゆる「十人に対応する手」「十の手からなる型」「十人分の働きができる型」というように思考を曲げられてしまったことでしょう。
しかし、分解組手を検討してみると、なるほど「十手」という意味が見事に浮かび上がってきます。
久保田先生は「十文字」という言葉を使用して多くの教えを残してくれましたが、この「十手」もまさしく「十文字」の技術を示唆しています。
この型は「対棒術」をテーマに作られています。 私の考察では「術手」いわゆる「棒術の手」と呼ぶ方が、解りやすい表現だと思っています。
この型は前半と後半に分けられ、 前半は「突いてきた棒の対処」であり、後半は「打ってきた棒の対処」を学習します。 従って、約束組手で練習するには、攻撃側が棒術の手が出来なければなりません。
よく「松濤館には武器法が無いのでは?」と言われますが、少なくとも私が習った二人の先生は武器法(棒と釵)ができました。
船越義珍先生が、棒術を練習する写真が残されています。
当時は生活様式も今とは違い、天秤棒みたいなものも生活道具としてそこらにあったので、護身術としての唐手では「対棒の技術」が必要だったのでしょう。
昔の沖縄では、武士が棒と釵を主にやり、農民が、棒、鎌、トンファ等を行うのが普通でした。
第五動作〜第十四動作
第五動作 正面へ 騎馬立ち 右掌底受け
この動作は、相手が棒や槍で突いてきたときに、攻撃を避けて相手の懐に飛び込む動作を現しています。
相手が棒を左前中段に構えている状態から、一歩踏み出し左前屈立ちとなり中段を突いてきたと想定します。
相手の棒の突きに対し、右足前を前にして体を裁きながら騎馬立ちとなり、掌底で棒や手を横に弾き、棒の側面に入り込みます。 この体裁きをするには、運足が重要となります。
左手で相手の左手前の棒を、右手で相手の左手の上から両手間の棒を握ります。
第六動作 正面へ 騎馬立ち 左掌底受け
第五動作同様なので省略
第七動作 正面へ 騎馬立ち 右掌底受け
第五動作同様なので省略
第八動作 左方を向いて 後方へ交差立ち 十字受け
下がりながら交差立ちとなり、右手を上方に左手を下方に棒を縦に回転させ、相手を崩します。
第九動作 後方へ 騎馬立ち 両手下段払い
後方へさらに一歩下がりながら、棒を押し下げる動作を表しています。このとき、引き上げた棒の先を相手の背面へ向って振り下ろせば、相手の右手首が捻れて手が離れます。
第十動作 騎馬立ちのまま 山構え (両手をL字に立てる形)
相手から奪った棒を頭上に構えます。
第十一動作 正面へ 騎馬立ち 山構え
山構えのまま左膝を高くあげて一歩前進し、棒から後手を離し、前手で後ろから前に水平に棒を振りながら騎馬立ちになります。
騎馬立ちになったときには、水平に振った棒を後手で受けます。
第十二動作 正面へ 騎馬立ち 山構え
省略
第十三動作 正面へ 騎馬立ち 山構え
省略
第十四動作 直れ
前半終了
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