燕飛の分解組手

燕飛の考察
燕飛(エンピ)は、元々ワンシュウ(汪楫)と呼ばれていた型です。
冊封使の汪楫が伝えたといわれている型で、ワンカン、ワンシュウ、ワンダウの3種類の型はセットでしたが、ワンダウは失伝しています。
もし、汪楫が伝えたのだとすれば1669年頃のことですから、334年前の型ということになります。
他の型では見られない「揚げ突き」が特徴です。


第一動作〜第四動作の解説
JKFAN  2006年  月号にエンピと称して以下の写真が掲載されていました。
聞くと、指定形の燕飛ではこうやるのだそうです。
私が習ったの燕飛は、右手は真下で左手も右手の上腕に添える位置でした。

確認のために、船越先生の空手道教範をみてみると、以下の写真が掲載されていました。
写真のない時代なら形が変わっても判らないかもしれませんが、ある程度の写真は残されています。
一体どこでこんなに変わってしまったのでしょうか。

この第一挙動の分解を相手の前蹴りに対する下段払いとする解釈をしているために、右手が下段払いのように斜め45度になったと思われます。

下段払いをするために、片膝をつく必然性はないように思えます。
逆に片膝をついた状態で下段払いをしても、相手の蹴りが当たってしまうのではないでしょうか。
また、第一挙動に続く動作が、第二挙動(脇構え)、第三挙動(下段払い)、第四挙動(鉤突き)であるとすると、相手の前蹴りを受けたとしても分解が続かないと思われます。


口伝の「正面に一人」「掴む」で解釈すると、相手の突手を捕りながら反撃する動作と解釈できます。

用意 閉足立ち 左脇構え
 左掌の甲を左向きにして左腰に構え、右拳の拳頭を左掌に添えます。

第一動作 左方へ 右脚折敷き 右下段突き 左拳は右肘に添える
 右足を一歩引きながら、相手の左追い突きを左手で叩き、右手で相手の左前腕を掴みそのまま押し下げて相手の体勢を崩すと同時に、左拳で相手の顎にショートアッパーを打ちます。

第二動作 正面に 平行立ち 左脇構え
 右手で掴んだ相手の左前腕に左手を添えて、両手で相手の左手首を掴みます。

第三動作 右方へ 前屈立ち 右下段払い
 右方へ右足を進めながら、右手で上方へ半円を描いて相手の左手首を小手返しに捻り、下段払いのようになり相手の体勢を崩します。

第四動作 正面に向かい 平行立ち 左鉤突き 
 相手を崩したまま、左鉤突きを顔面に入れます。


第十三動作〜第十八動作の解説
第十三動作 正面へ 左前屈立ち 左下段払い
ここでは、相手が右手で左下段払いの手を掴んだという設定です。
 
第十四動作 正面へ 騎馬立ち 左掌左斜め前方へ
左足底で相手の膝を蹴り、相手の意識を下半身に向かわせておいて、左掌を内側へ向けて反時計回りに下から半円を描くように左斜め前方へ揚げます。
  
第十五動作 正面へ 左片足立ち 左掌へ右裏拳打ち
左手首を返し相手の左手首を掴み、相手の右肘に右前腕を当てて逆を取りながら、相手の体勢を崩します。
    
第十六動作 正面へ 騎馬立ち 左中段手刀構え
さらに、右手で相手の左袖を掴み引き寄せながら、左手に持ち替えます。
  
第十七動作 正面へ 騎馬立ち 右中段突き
左手で相手を引き付けながら、相手の左脇腹に右中段突きを入れます。
    
第十八動作 正面へ 騎馬立ち 左中段突き
続いて、下がった頭部或いは脇腹に左中段突きを入れます。

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