平安三段 分解組手
平安三段の考察
この平安三段は接近戦での用法をテーマにしてあり、逆技や外し技が含まれています。
従って、突き蹴りだけではこの型の分解を紐解くことができません。
地味な型ですが、護身を考えた場合に有効となる技法が含まれています。
第一動作〜第六動作(内受け、交差受け)
何をやっているのか、判らないでやっている代表的な動作ではないでしょうか。この動作にも、非常に優れた用法が隠されています。
相手の手で相手の両手を封じる動作で、中国武術では「封手」という概念の技法です。
合気道にも絡み投げのような技法があります。
第一動作 左へ 左後屈立ち 左内受け
左後屈立ちになりながら、右手掌底で相手の左追突きを右から左へ払い、すかさず左内受けを行う。
これも、他の上段揚げ受け、手刀受けと同じく、十字受けとなります。内受けは一番大事な受けとされながら、最も使い難い受けでもあります。しかし、後ろ手の補助(パリー)を使うことによって、実用化ができるようになります。
隠し手:後手を使った内受けをすると、手刀受けと同じく内受けをした手の前に相手の顔面があります。その内受けをした手で、相手の顔面へを正拳突きを入れることができます。
この場合は、拳と顔面の間の距離が短い為に、腕の力を抜いて尚且つ重さのある突きを出す必要があります。この突きの仕方は後で別に書くつもりですので、ここではカタチを理解してください。
第二動作 閉塞立ち 交差受け(右内受け+左下段払い)
内受けをした手で、相手の左手を掴み引こうとします、相手は引かれまいとして一歩さがります。
相手の左手を掴んだまま、相手が下がるのに合わせて前に踏み出し(閉塞立ち)ながら右裏拳で顔面を打ちます。
相手は左手を捕まれているので、右手で裏拳を避けます。
第三動作 交差受け(左内受け+右下段払い)
その右手を裏拳をした右手で掴み下方に引き下げ、相手の両手を十字に交差させ反撃をできなくし、左裏拳を顔面に入れます。
第四動作〜第六動作は省略
第九動作〜第十動作(貫手、鉄槌)
第九動作 右貫手を斜め左下へ
この第九動作〜第十動作が、右貫手を両手で掴まれた場合のはずし方であるのは、市販されている空手の本に載っています。
相手が力を入れて握られたときに、無理に引いたり、ただ回転したのでは手が離れません。
確実に相手の手が離れる為には、上体を前傾し貫手を斜め左下へ突き出す動作がこの技のポイントなのです。
その斜め下へ突き出す場所は、相手の両足を底辺とした正三角形の頂点へ向って突き出します。
そうすると、相手の両足が爪先立ちになり体制が崩れ、力が入らないようになります。
その状態にしてから次の第十動作へ移ります。
第十動作 反時計周り、正面へ 騎馬立ち 左鉄槌
前足を軸として、後足を反時計回りに回して騎馬立ちとなり、相手の左腎臓部へ左鉄槌を打ちます。
このとき、第九動作で相手が崩れて入れば、右手は簡単に外れるはずです。
第十三動作〜第二十三動作(腕受け、裏拳)の解説
肘受けは不意の攻撃を受けたときの、受けを学習するための動作です。
足を大きく踏み込む動作は、踏み替えに置き換えます。力強く演武することを考えた為に、このような大げさな動作になったと思われます。必要なのは力強さではなく、素早く体を捌くことにありますので、そのことを注意して練習します。
口伝が伝わっていないために、「肘受け」も単独動作として認識されているようですが、「反対の手で相手の手首を掴む」という動作を加えるだけで、裏拳後の投げも自然に理解できるはずです。
第十三動作 左回転して正面へ 閉足立ち 両手を腰に構える
連絡動作
第十四動作 後方へ 右踏み込み
型では足を揚げて大きく踏み込みますが、ここは踏み替えに置き換え素早く体を入れ替えるようにします。
第十五動作 後方へ 騎馬立ち 右肘受け
相手の左中段突きを、手を下げた位置から最短で受けるようにします。
表演型では、腰に拳を付けたまま肘で受けますが、実際の用法では腰から手を離し、前腕が地面に対して垂直になるようにして、前腕を内側へ回転させ受けをします。
このとき左手は腰に取らず、右手に交差するように横十字受けにして相手の左突きを上から手首を掴みます。
第十六動作 後方へ 右裏拳
相手の左突きを握った左手を腰に引きながら、相手の顔面に右裏拳打ちをします。
裏拳を打った右手で相手の左手を内側から抱え込み、腕の下を潜らせて自分の左手首の上に右手刀を載せます。
第十七動作 後方へ 左踏み込み
第十四動作に同じ
第十八動作 後方へ 騎馬立ち 左肘受け
第十七動作から踏み替えで体を入れ替えると同時に、左手を相手の手首を持ったまま上にあげ、右手刀で切り下ろしながら「腕絡み」にして相手を投げます。
第十九動作 後方へ 騎馬立ち 左裏拳
第二十動作 後方へ 右踏み込み
第二十一動作 後方へ 騎馬立ち 右肘受け
第二十二動作 後方へ 騎馬立ち 右裏拳
第二十六動作〜第二十七動作(後肘打、後振り突き)の解説
一般的には、後ろから抱きつかれたときの対処として解説されていますが、実際にやってみると難しいことがわかります。完全に抱きつかれてしまった後では、後ろ肘打ちを相手に当てることは不可能です。
なぜなら手を動かすことができないからです。
また、後方への振り突きが後ろから抱きついた相手の顔に当たるのかというとこれも、完全に抱きつかれた状態では、同じように不可能です。この技が、相手に抱きつかれる寸前に後肘打ちができるなら可能ですが、平安が入門型の位置づけである以上、後ろから来る相手の殺気を察知して使用するわけではないので実用的でありません。
久保田先生が示した分解は3つあり、これらも口伝を用いると解けてきます。
この動作を難しくしているのは、第二十五動作を単体で使おうとしているからなのです。
この部分の解釈は、第二十五動作と第二十六動作がセットとして、2つの動作を一挙動で行います。
最初の動作で相手を崩し、次の動作で技をかけます。
第二十六動作 騎馬立ち 左肘打ち+右後方振り突き
後ろから抱きつかれたと場合に、左肘打ちを後方の相手の脇腹へ打ち、右振り突きは後ろを突くというより、前へ肘打ちするようにして抱きつかれた手を緩めます。
このとき、右手で相手の左手首を掴みます。
第二十七動作 右へ平行移動し 騎馬立ち 右肘打ち+左後方振り突き
左手の振り突きというよりは、上段揚受けのようにして相手の左手を上方へ跳ね上げます。
右手で掴んだ相手の左手首を、自分の頭を越して右側へ移動し中段へ降ろします。
そうすると、相手の左手を小手捻りの状態に極めることができます。
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