エピソード


私が見た空手の極意書
ある天才的な空手家が書いた、組手の技術書のことなんです。
随分前に見せて貰いましたが、立ち方、運足、タイミング、戦略などが、組手はどうあるべきかと
いうことが、大学ノートに手書きでびっしりと書いてありました。
お返しに彼に○○を教えたのを覚えています。
当時は、彼が世に出る前でありましたし、「何をごちゃごちゃ書いてんだろう」「そんな暇あれば、
練習すればいいのに」と思っていました。
今になって思うと、極意とも言うべき内容でしたね。天才は一夜にしてならずということでしょう
か。
彼の完成されるまでの過程を見てきた一人としては、彼の努力の結晶ともいうべき内容が整理
されて世に出れば、組手を研究する上で貴重な資料になると確信しています。
その後、彼は世界チャンピオンとなり、彼の組手のスタイルは空手界を大きく変えました。


実験報告extreme   究源塾代表よりの投稿

2003年3月8日、午前8時40分、T県T市某ホテル正面エントランス、私はその人と約2mの距離を
おいてすれちがった。一目見て上背はさほどでないにもかかわらず、その発する雰囲気は異様
に空間占有が高く、まるでホテルのロビーの半分を占めているかの印象があり、間違いなくその
人とは思われたが・・・何故とは無くビシッとしたスーツにジュラルミンのスーツケースというスタイ
ルをイメージしていたためである。

その人は簡素な暗色のジャケットに同系色のスラックスといういでたちであった。
 『もし人違いだったらやべーしな。』田舎者特有の慎重さで一応ロビーを一渡り見渡したが、そ
のように圧倒的な雰囲気を持つ人は他に無く、また、その人は誰かを探すように玄関破風で通
りを見回している。これはどう考えても間違いあるまい。

「先生。桧垣先生。斬奸です。」(注1.)

「おお〜。はじめまして桧垣です。」

「はじめまして。遠路ありがとうございます。今日はどうか宜しくお願いします。」

(注1.)勿論実際には本名で名乗っている。

そう。何を隠そう私は桧垣先生とは初対面であった。電話と書面では約1年間に渡って多大なる
ご教授を頂いてきたが、今回直接手を取って教えていただける事になった。
 それもご多忙の中わざわざこのような度田舎までご足労いただいてである。
 いくら感謝しても足りるものではない。

稽古場所はいつも合同稽古に使用している施設を午前9時〜午後3時まで押さえてあった。予約
時にマットの借用を申請する時、『投げ技などの写真撮影もするんで〜』と口を滑らしたところ、
若い職員が『あ〜普段と使用目的が違うと料金割増になります。』(注2.)『いくらですか?』『○万
○千円・・・』と聞いて青ざめたりしたが、『ん〜練習しながら写真も撮ったりするということでしょ。
普段と同じで構わんよ。』という所長さんのご好意で救われたのである。

(注2.)なんと言っても公共施設なので、割合こういうところには厳しかったりする。

 参加は鷹ノ巣塾長、当塾茶帯のN氏、私の三名である。期待と興奮と緊張がごちゃ混ぜになっ
てなんとも言えない状態であったが、全く気取ったところの無い気さくな先生の受け答えと、目を
見張る技術、点穴を穿つような正確な指導にたちまち引き込まれていったのである。

 手順は、まず術の説明と実技。ここで早くも内心『ま、まずい@@;・・・』基礎術については正確
に実施できている自信(注3.)があったにも関わらず、やはり要所要所でちゃ〜んと間違ってやっ
ていたのである。

(注3.)こういうものを根拠の無い自信という。

 これら全て単独と組の稽古法を懇切丁寧に教えていただいて実技を交替で行ったが、やはり
私が指導している時とでは、上達の速度が10倍ほどにも違うのである。

 術の総まとめから型分解への入り口として下段払い追い突き。 ここでその上達がもっともは
っきりわかるのであるが、私には(注4.)対象者の姿勢が『う〜んイマイチだな〜』という程度にし
かわからないが、先生はそれこそピンポイントで悪いところを次々と指摘、矯正していくのであ
る。
 私の指導で1年かかるところが、わずか1分でできてしまうのである。これが驚異でなくてなんで
あろう。二人とも前回までとは速度も威力も段違いの技をみるみる身に付けてしまった。

(注4.)私が十分できているとか、指導力が水準以上だとかいう意味ではない。

 型分解組手は途中昼食を挟んで平安初段〜五段、鉄騎初段〜二段までで時間が来てしまっ
たが、写真撮影は主として鷹ノ巣塾長が受けをつとめ、先生の指導を受けながらほぼ全所作の
組練習を交代で行った。基本的には普段やっているつもりであったが、やはり微妙な勘違いや
ポイントを抑えていなかった部分も多くあり、さらに『これは@@;』と思うような用法(注5.)をご教
授いただいた。なんと言っても先生ご自身の動きを見て技を食らわせていただいたのが最大の
収穫ではあるが。

(注5.)しかしあくまで基本分解である。以下に一部を書いてみる。

 平安初段では手刀受けの投げ。上段揚げ受けの隠し技

平安二段では捻り崩し、貫手の用法、上段揚げ受けの投げ。首が折れる。

平安三段では回転鉄槌、なんと言っても最終の後ろ突き+肘打ちと言われる所作。これは、まず
世上流布しているとおりをやってみて、絶対に出来ないことを体感した後、三種の用法。今更で
あるが力は全く要らないのである。それでいていずれの用法でも後ろから抱きついた相手は面
白いように吹っ飛んでいく。

平安四段では第三動作、こういう○○だとは思わなかった。横蹴り〜手刀〜前蹴り〜裏拳と手
綱構えのところは、先生に指導されながらやると、異常に滑らかにできる。崩しのポイントを指摘
されながらだからである。

平安五段はこれも首が折れる投げ。下段→上段十字受け〜順突き〜追い突き。

鉄騎初段、全部。鉄騎二段、極めの部分。

これらは、今まで先生に教えていただいてやってはいた。やって一応使えてはいた。
 先生によれば『分解は一つじゃないんだから使えてれば正解。』とおっしゃっていただいたが、
やはり微妙に違う先生の分解は切れが違うのである。まさに奥が深いなんてものじゃないのであ
る。総体として私はいくらか力任せの部分を引きずっていたようだ、反省である。

また、捕り方のいくつかも実演していただいたが、これが痛いなどというものではない。つかまれ
た瞬間息を呑んでひっくりかえるのである。現にこれを書いている今も二箇所ほどはまだ感覚と
動きがおかしいのである。

このようにして、実質約5時間の稽古はあっというまに終わってしまった。あらゆる分野をひっくる
めて、近年これほど時間の経過を速く感じたこともなければ、これほど時間当たりに得た情報量
が多かったことも無いと思う。これからじっくりとそのご教示を咀嚼して自分の身に付けなければ
ならないと思う。 以上


宴会の後の一発
お酒を飲む季節となりました。今年一年皆さんはどう過ごされたでしょうか。大学生の時のお酒の
思いでは余り良くありません。
 なんせ、空手とセットのことが多くて・・・・

何の会だか忘れましたが、これも一年生の冬の頃だと思います。
 空手部の忘年会かなんかで飲み会があり、ようやく終わって店を出ると、4年生の主将が「全員
一列に並べぇええええ!」と号令をかけました。
 「なんか説教かなぁ」「歌でも謳わされるのかなぁ」などとブツブツと言いながら取りあえず、店の
前に全員が一列に並びました。

こういうときはモタモタしていると、どやされるので駆け足でササッ並ぶのがコツです。
 もう一つのコツは、後ろの方に並ぶことです。っていっても、一年生は最初に並ぶのが決まって
いますから、一年生の中でも後ろの方に並びます。
す早く駆け足で並ぶけれど、その中でも遅れたふりをして、後ろに並ぶのです。
これが、自然にできなければダメなんです。

要するに、先輩に何をされるか解らないので、先にやられる奴の様子を見るためです。まして、
皆ベロンベロンに酔っているわけですから、常識もなにもありません。

 主将が「よっしゃぁああああ、いくぞぉおおおお!」って吼えました。
 「な、な、何をされるんだー」と見ていると、整列した端から、一人ずつボディーに正拳中段突き
を入れ始めました。

「オリャー」とかいってベロベロに酔って腹いっぱい食った腹に、渾身の力を込めて正拳突きを入
れるんです。

やられる側も、普段鍛えた腹筋で耐えるのです。まぁ、来るのが解っていれば何とか耐えられる
のですが、こういう状態では堪えます。
 みんな十字を切って「うっ!」とかいって耐えています。

いよいよ私の番です。正拳中段突きが当たった瞬間に引いてショックを和らげました。ひひ
 これも引くだけではだめで、逃げると余計にやられますから逃げたと思われないように引くのが
難しいです。

ここで副将が一言「おまえら〜、空手やっててよかったな! ちゃんと耐えられるじゃないかぁ」

3年生の先輩が一言「空手やってなければ、こんな目に遭わないよなぁ」 (ごもっとも)



のぶさんのご家族と

11月30日(日)に、のぶさんのご家族とお会いすることができました。そのときの様子を、のぶさ
んから投稿いただきましたので、掲載します。

 のぶさんよりいただいた投稿

11月30日(日)に桧垣先生と京王プラザホテルでお会いしてきました。
 10時半にホテルで待ち合わせ・・・と言う事で、前日朝6時からホテルの駐車場で車中泊。10時
になった時点で起きてホテルの化粧室でドキドキしながら顔を洗ったり歯を磨いたりしました。

前日に井上さんから「お医者さんのような顔」という情報を手に入れていたので、「お医者さんの
ような顔をした”オーラを持った人物”で、姿勢の良い人」という勝手な思い込みで桧垣先生を探
しました。ホテルの玄関を探したのですが、それらしき人物が見当たらず、一度電話をかけてみ
るとロビーで待っていると言う事だったので、化粧をしている妻と長女と次男より先に長男と一緒
にロビーへ早足で向かいました。

実は、駐車場で子供達に「今日どんな人と会うか」を説明しておくために、「大山総裁と同じぐら
い凄い人と会うんだよ。」と言いました。すると長男が一瞬考えた後に「・・・へぇー。じゃあその人
って、ビールの口の所とかスパッと割れる?」と聞いてきたのに大爆笑。「それはどうだろう・・・」と
答えると、「そっか。じゃあ、大山総裁よりは下なんだね?」なんて”嬉しそうに”答えるので更に
爆笑しました。どうやら、大山総裁大好きの長男には「大山総裁と同じぐらい」という言葉に酷く
反応したようでした。(笑)そもそも、ヤツの中ではビール瓶を切れたら大山総裁と同じなのか・・・
と思っちゃいました。

話を戻します。僕は目が悪いので5メートルも離れていると人の顔がはっきりと判別できない状
態になるのですが、ロビーで探していると、一人「それらしき人物」がこちらを向いていました。

僕より小柄で細いぐらいなのですが、「本物」だとハッキリ分かる佇まい。失礼を承知で申し上げ
れば、一見すると「武道や格闘技どころか、スポーツすら絶対出来そうにない」ような外見なので
すが、不思議な事に「達人」の雰囲気は出ているんですよね。

僕は桧垣先生のお顔を見たこともなかったし、近くに寄らないとまともに顔が見えない事からも、
「桧垣先生の事を知っているから先入観でそう見えた」のとは違うと思います。先生のお姿を見
た瞬間に「他の何百人」のホテルで待っている人とは違うと一瞬で分かりましたから。

そして、早足で近づくと、それより早くすすっと先生が近づいてきて「はじめまして」の声と共に手
を出してくださいました。その瞬間、さっきの「常人離れした」オーラというか雰囲気が一気に消え
ました。

これはまた不思議でしたね。僕の推測に過ぎませんが、それまでは僕を探すために気を張って
いたけれど、僕が認識できたのでその気を張るのをやめた・・・という感じではないでしょうか。

だから、お会いして挨拶をする瞬間には「圧倒」されるような事はありませんでした。イメージ的に
は合気道の塩田先生をもう少しお医者さんっぽくした感じでしょうか。(分かりにくい?)(笑)

そんなおじいさんじゃないけど・・・・桧垣のツブヤキ)

僕は桧垣先生に大山総裁との類似点などをHPで感じていたので実物と話すときも、その点を探
していたのですが、お会いしたその瞬間から総裁と同じにおいを感じることが出来ました。

というのも、総裁はお弟子さんや他の人が周りにいるときには尋常ではないオーラを醸し出され
ていたのですが個人的にお会いしたりする時や、瞬間的に2人きりになるときには、「普通のおじ
いさん」に変身していたからです。

感激しつつ自己紹介を済ませ、少し広くて人のいない所に移動し、妻と長女・次男を待ちました。

その間の5分ほどが暇というか何を話していいのか正直分からなかったので、先生に、長男を
実験台にして総裁から教えていただいた、「教える人を選びなさい」と言われた基本の奥義的な
使い方を見ていただきました。

「キュキュッっていうのをやってみて」と言われましたが、僕はきちんとマスター出来ていないの
で、恥ずかしかったです。^^;

そうこうしていると妻達が来たので紹介をして、途中だった実技を公開していただきました。

まず、呼吸と体の動きを同調させる見本と言う事で、桧垣先生が片足で立ち、僕がそれを両手
で力いっぱい押させてもらいました。

「う・・・動かない」

そうです。こっちは思いっきり体重をかけて押しているにもかかわらず、片足立ちで背筋を伸ば
した先生を押せないのです。(微動だにされません。)
話は聞いていたのですが、ちょっとビビルと共に凹みました。(笑)

ただ、こういう事が出来ることに「驚き」はしなかったんですよ、正直言って。「だって、先生は達
人だもん」という頭があるからです。感激した事には違いないのですがビール瓶を切ったり闘牛
を一発で倒すような人を見てきたりしてきた訳ですから「驚き」というより、寧ろ「やっぱりこの人
は凄い」という”確信”の方が強かったです。

ここで一番何に感激し、驚いたかと言うと、今度は僕自身にそれをやらせようとしてくださったこと
です。詳細は伏せさせていただきますが、僕に4つ程の留意点を教えてくださって、その後片足
立ちになった僕に2〜3矯正やアドバイスを下さった後に教えていただくと、なんと出来るんで
す!!!!

まだまだ不安定ながらも、先生のアドバイスがない時点で片足立ちになった時には押されたら速
攻でフラフラしていた僕の体が物凄く安定しています。

たった30秒ほどのアドバイスで「僕にも出来る」ようにしてくださいました。

しかも、感動しっぱなしの僕に対して一言「そりゃあ、出来ますよ。だって人間なんだから。」・・・。
この一言は重かったですね。何故って? だって、皆武道をやる人は大山総裁や塩田先生や船
越先生を始めとする「達人」に憧れ、「こんな人になりたい」と思うわけじゃないですか?でも、心
のそこでは無意識のうちに「なれっこないよ。あの人たちは特別なんだよ。」と思っていたり、「あ
の人たちはただの伝説なんだよ。だから話されている事は眉唾物だよ。」なんて思っている人が
殆どなんじゃないでしょうか。でも、桧垣先生に言わせれば、「皆人間だから殆ど同じ構造を持っ
ている訳で、やり方さえきちんとすれば出来る!」というこの言葉に本当に感激しました。そう。「皆
同じ人間」なんですよね。

すぐに、今度は突きの指導です。
 これまた詳細は省きますが、僕が掌をかざしているところに、「これが一般の人がやる突きで
す。」と言いながら所謂「基本どうり」の突きを先生がくらわせました。もちろん、別に普通です。
特に痛くもありません。だって、見たところ50%・・・いやもっと力を抜いた感じのパンチでしたか
ら、痛くも痒くもありません。

次の瞬間、「これが本来の突きです。」といって放たれたパンチが僕の手を一瞬ハンマーで殴ら
れたかのような激痛となって通り過ぎました。僕は余りの痛さに一瞬しゃがみこみました。

といっても、先生自体は何の変化もありません。スピードや表情も先ほどと何の変わりもないん
ですよね。

そして間髪いれずに、「それでは、さっき立ったやり方で今度は両足で立って見てください。」と言
われたので、思い出しながら立ちました。するといきなり胸を殴られました。さっきと同じパンチな
のですが、我慢できるんですよね。不思議です。

痛いのは痛いに間違いないのですが、さっきの手に来た衝撃からすると50%減という感じの痛み
でした。

そして「それじゃあ次に普段どおり立ってみて」と言われたので立つとすぐに間髪いれずに同じ突
きが胸に。。。。。

速攻ダウンしました。(笑)

心臓が止まったかと思い、辛うじて立ち上がった僕の顔を見て長女が「パパ。顔真っ赤だよ。」な
んて心配していました。

この不思議を非常にわかりやすく説明してくださいました。

ここまで話しても、まだ「単純に僕や桧垣先生が非力で、押す力が弱い」と思う人もいるでしょう
から少し後日談を話しますが、僕はいつも「復習」を心掛けていますので、帰ったら即、長男に桧
垣先生が僕にアドバイスしてくださった事をそのまま言って、同じ片足立ちの体勢を取らせまし
た。
 長男の体重は約20kg、僕の体重は約70kgです。その差50kg!3.5倍の体重な訳です。当
然、普段僕が50%の突きで胸や腹を打つと吹っ飛ぶなり、ヒィーヒィー言ってうずくまるなりしま
す。まぁ当たり前ですよね。別に不思議はありません。

それなのに、片足で立った長男を思いっきり押してもビクともしないし、「念のため」50%ぐらいで
胸と腹に突きを打つと全く平気な顔をしています。ちょっと腹が立ちました。(笑)

すぐに「じゃあ、今度は普通に片足立ちで立ってみて?」と言って押してみると、余裕で吹っ飛び
ますし、両足立ちに変えて僕が突くとやはり、ヒィーヒィー言ってうずくまりました。(予想通り) 

 長男はかなり目が輝いていました。まるで大好きなガンダムのプラモデルを貰った時のような輝
きようです。僕は何も聞いていないのに、「すげぇーーー。最初の突きは、あれ?蚊でも止まった
か?って感じだったよ!」なんて喋り始めました。

「悪かったな。蚊の止まる様な突きで。」って感じです。

話を戻します。その後、ホテル内の喫茶店に移動してアイスコーヒーを飲みながら、本当にいろ
いろな話をさせて頂きました。
 噂のダブルツイストも実体験してきました。井上さんや二足の草鞋さんはベッドがあったそうで
すが、今回は”広い”喫茶店(誰にも迷惑をかける状況ではなかった事を明記しておきます。)。

(隣の席のおねーさんが、怪しげに見ていました。・・桧垣のツブヤキ)


 吹っ飛ばされても、受身を取れば良いや・・・ぐらいに思っていたのですが、余りに瞬間的で、し
かもいかにも「投げ」という感じではなかったので、飛ばされた瞬間に「やばい!受身がとれな
い!」と思いました。

頭から落ちる寸前に、桧垣先生が手を出して頭を支えてくださいました。

後に、傍から見ていた妻が述懐するに、「あれは、凄かったよね。先生、自分でフッ飛ばしておい
てパパの頭を即支えていたもんね。」との事。

もし先生の手がなかったら、受身がとれず頭からソファーかその上のガラスにでも頭をぶつけ
て、先生が傷害罪で捕まり、壊れた高額な備品代金を支払わなければならない所だったでしょ
う。もしかしたら、「おっと、危ない30万円がー!」なんて、思いながら僕の頭を支えてくれたのか
もしれません。(笑)

その後も、平安三段や五段などの分解の詳細を実際に目の前で教えていただきました。

技自体よりもそれを「スムーズ」に繰り出す先生の動きにうっとりしてしまいました。

そうそう!斬奸先生に富山で教えていただいた”スイッチ”の”正しい”やり方も、一応練習の成
果が出ていたのか、「そう!それでいいんですよ!」と一発OKが出たのが非常に嬉しかったで
す。(笑)

個人的には、折角散々練習したんだから平安初段を見てもらえばよかったな・・・と今更ながらに
思います。(後悔

僕は、諸事情のせいで小学5年生以前の記憶が殆どないんです。
 というより全然繋がっていないというか、ある瞬間に「ふと」思い出すんですよ。誰かが関連した
事を話してくれると「そういえば、こう言う事があった!」なんて感じになるわけですが、桧垣先生と
お話をさせて頂いていると、総裁との思い出や指導してもらった言葉などをいっぱい思い出せる
んです。
 先生の話の途中で”何度も”「総裁はこういう事言っていました!」という言葉が出てきました。そし
てその事にやたらと感動して2度ほど涙腺が・・・(途中で一度本当にやばかったので隠すために
トイレに行きました)(笑)大変失礼いたしました。

コーヒーを奢ってもらうわ、その後レストランでお昼を奢ってもらうわ・・・、至れり尽くせりでした。
本来なら僕が指導料を払っても全然おかしくないのに。昔から空手に関するお金は余り払わな
いでもいい宿命なのかもしれません。(笑)本当に感謝しております。

是非「弟子にしてください!」と何度も喉元まで出掛かりましたが、なんだか失礼な気がして言え
ず、ついつい次男を抱きかかえ「こいつを弟子にしてやってください」なんて言ってしまいました。
なんだか好きな子の前で告白できない状態でした。(笑)

その後も2時からお仕事であったにも関わらず時間をずらして僕の所用に付き合ってくださるな
ど、感謝の言葉がこれ以上見つかりません。

正直、レストランでの先生の一言、「今の自分の技術や経験は自分だけのものではない。先人
達から預かったものに過ぎない。だから、後世に残さないと失礼になるし裏切りだ。」という言葉
が重く心の奥底を響き渡りました。決して僕に対する批判というわけではないという流れでした
が、そういう意味も十分含まれている気がして考えさせられました。(考えるだけではなく近いうち
に行動も起こします^^)

一言一言に含蓄がありました。この先生との出会いを大きな経験としてこれからの社会生活に
役立てて生きたいです。

 実は今日既に生徒達に先生の話をしました。(笑)かなり感動していました。先生が行ったことを
話すと、嘘ダーーーなんていっていたので、先生から教わった片足立ちを実演してみると、目を
丸くして、5人ぐらいが交代でやってきました。(笑) 「本当だ!すげぇーーー!その人すごすぎ
ーーー!」とか言っていました。(笑)

その後すぐに先生が話してくださったことを話すと、自分達の今の境遇と照らし合わせて感動し
ていました。「そうだよな。俺達も皆と同じ人間なんだよな。一人一人が微妙に違っても、やり方さ
え間違えず、一人一人にあった微調整さえすれば、努力次第で出来るんだよ。」・・・そういった
声が聞こえました。

ちなみに、妻が帰りの車の中で言った一言が印象的でした。
 「先生の話を聞いてると、空手ってさ本当にちゃんとやろうと思ったらバカじゃ出来ないんだ
ね。」

とにかく先生とお会いできて本当に良かったです。ありがとうございました。押忍


初めての外人との組手
この間、知り合いと食事をしていた時に、外人との組手が話題にでました。
私も外国人と柔道も空手もやりましたが、やはり体格的なハンディは大きいものがありました。

中学生3年生の頃、ホームステイ先で「柔道か空手はできるか」と聞かれましたので「両方でき
る」といった為に、知り合いに紹介される度に試割をさせられました。
毎日何回もしていたので、最期には手が痛くなって・・(ToT)

ブルース・リーの映画が流行る直前くらいだったので、まだ空手がめずらしかったのですが、街
に1つだけ空手の道場があるというので、友人に連れていってもらいました。

日本で習ったという白人の先生が「松濤館スタイル」といって教えていました。(ちょっとギモーン)
 生徒は12,3人くらいだったと思います。その日だけ、特別に一緒に練習させてもらうことにな
り、基本、移動の次に「型を見せてくれ」というので「抜塞」をやりました。

そのうちに、「ナントカナントカ〜イッポ〜ン」って言っていましたが、何回きいても聴き取れず、見
ていたら組手のことでした。
 「余り上手くはないが、ちょっと早いかなぁ。負けないようにしないとな〜」と思いながら見ていた
ら、次に「やってみろ」といわれたので黒人の男性(高校生くらい?)と向かい合いました。

背はそう大きくはありませんでしたが、組手を始めてみると恐ろしく速いのです。
 また、どうも動きをみているとボクシングもやっているようで手数も出してきます。
 こちらの攻撃は動体視力がいいのか、突きも蹴りも全部かわされてしまいました。(ヤベー)

ここまでは、お互いに有効打がなかったので、「いっちょ、仕掛けるかぁ♪」と思い、突きの距離
ぎりぎりまで近づいて助走なしで、飛び横蹴りを仕掛けてみました。
 当時は身が軽く相当高く飛べましたし、その頃は得意な技で外したことは無かったのですが、上
段揚受けで足を掬われてしまい、背中から「ズテーン!!」と落とされてしまいました。
 直ぐに立ちましたが「このままでは、マズイ!! 技は見切られてしまったし・・実は背中も痛
い・・(ToT)」
 そこで、思いきって「後ろ回し蹴り」を出したら一本取れました。
 (実は初めて組手で使ってみたのはナイショ♪)

「ふぅ〜、やれやれ」と思って2本目を始めると、なんと彼は怖気づいたのか、後ろへどんどん下
がっていくではありませんか。

「おっ、怖気づきやがって〜、へへへッ♪」と思ったもの束の間で、後ろへ下がるズピードが異常
に早いのです。

「えぇぇええっ?? そ、そんなハズはぁああ!!」

私が前に走るより相手が後ろへ走る方が速いなんて!!

結局、体育館を一周して追付きませんでした!!

一周したところで「ヤメ」となり終わりました。
 黒人のバネの凄さを知りました。恐るべし・・


お酒の思ひ出 
私もお酒は余り飲めるほうではありません。
 大学の空手部に入部するとき、空手の練習よりも酒を飲まされる ことの方が心配でした。とに
かく酒を飲まされるのは嫌なので、これだけは避けなければならないと考えていました。

 やはり大学の空手部というところは飲むのは当たり前でして、先輩達に一人一人酒を注いで回
るわけですが、反対に注がれることになりその場で一気に飲まなければなりません。
 回っていくうちにだんだん辛くなってくるので、ちょっとでも飲むのを躊躇すると「なんだぁ、
俺の酒が飲めねーのかぁああ!!
 と怒鳴られるので、とにかく一年生は先輩の数だけ飲むことになります。
 最初の飲み会の帰りに山手線に乗って帰ろうとしましたが、何回目を明けても同じ駅にいるで
はありませんか。結局、山手線に6時間くらい乗っていたようです。(^^;

 2回目の飲み会の時に、私は友人と密かに一計を案じました。
 ベロベロに酔った勢いで友人と喧嘩をはじめました。もちろんこれは打ち合わせの通りです。
 もつれているうちに、そばにいた弱そーな先輩に顔面パンチをかましましたぁあああ。
 その先輩は尻餅をついて「イテ〜。お、お、おい、なんだよ」とかいっていましたが、私はお構い
なくその後も大暴れをし、最期は「ウゲェーとかいって座敷に食べたものを全部まきちらしまし
た。
 この時は本当に酔っていたので、その後は前後不覚になり友人の下宿に担ぎこまれたようで
す。

 その後飲み会があっても、しばらく先輩達に注いだ後に「ウープッ」とかいって口を押さえると、
先輩方は「お、おい、お前はもう飲まなくてもいいからな!」とかいって免除されるようになりまし
た。
 (シメシメ)

 OO先輩ゴメンナサイですぅー。m(__)m

 

口は災いのもと 
空手部に入るとき酒の問題の他に、もう一つ問題がありました。
 髪の毛の問題です。当時、パーマなぞをかけていた私としては、イガグリ頭だけは嫌だったので
す。

髪の毛の長さと空手の練習とは関係がないと思うのでが、昔の武道部において坊主頭は普通で
した。
 道場見学に行ったときに、主将にこのことをいうと「髪は切らなくていいよ♪」ということだったの
で(ラッキー)入部することにしました。
 2週間後少し道場に慣れた頃に、主将が「一年生は早く髪を切って来い!!」と言うではありま
せんか。
 「え〜話が違うじゃ〜ん」と思いましたが、練習をちゃんとやっていれば文句ないだろうと「ま、い
っか〜」と無視を決め込むことにしました。
 翌週、主将が「おい、OO! なんで髪を切って来ないんだ!」
 私はカチンと来たので
「髪の毛を切ると空手が強くなるんですかぁ〜」
 と言ってしまいました。
 そのとたん主将の顔が真っ赤になり、
「なに〜、髪の毛を切れない奴が強くなるかぁ〜」
 とかなんとか訳のわからぬことをいいながら、「一年生は全員腕立て伏せ開始!!!」と号令を
かけました。

 私を含め一年生8人が「腕立て伏せ」の姿勢を取りました。
 主将は竹刀で我々の肩や背中を叩きながら、「おら〜、拳立て伏せだぁ〜!」と言ってきました。
 「イチ、ニー、サン、・・・」
 「ひゃ〜く、ひゃくいち・・・」、「え”〜」
 「おら〜、まだまだぁ〜」

「にひゃ〜く、にひゃくいち・・・」(なに〜)
 「おら〜、1000回までいくぞ〜」

 「さんびゃ〜く、さんびゃくいち・・・」(くそ〜)
  バシッ、バシッ(竹刀の音)

 「よんひゃ〜く、よんひゃくいち・・・」(手がイテ〜)
  ズコッ、(背中を踏みつける音)

 「ごひゃ〜く、ごひゃくいち・・・」(ぐあぁあああ)
  ドズッ、ドズッ(肩あたりをローキックされた音)

 「ろっぴゃ〜く、ろっぴゃくいち」(もうだめだぁ〜)

 600回あたりで同僚も次々とダウンをしていき、誰も動けなくなったところで「お〜し、ヤメ!」の
号令で終わりました。
 主将には「なんだ〜、お前ら! 1000回出来ないのか〜」と言われましたが、主将は1000回
できたのだろうか今でも疑問です。
 終わってみると、拳は血だらけ、床は汗で池が出来ていました。
 同級生の間ではしばらく「OO、お前が、“髪の毛を切ると空手が強くなるんですかぁ〜”なんてい
うから、あんなことになったんだ!」言われました。(ToT)

 つーか、髪の毛を切ることと空手の練習や実力とは関係がないのにネ!
 何で連帯責任で拳立てやらなきゃならんかね。ったくぅ。
 空手バカ一代の大山倍達館長は長髪ぢゃないか、キミィ!


秘技ハブ
久保田先生は、私の手刀受けの練習を見て、
 「OO君のはマムシだね」
 「えっ、???。私のがマムシなら、先生のは何ですか?」
 「ハブだよ」
 「ハブって何ですか?」
 「沖縄にいるハブだよ。見せてあげるから、構えてごらん」
 「ハイッ」と私が構えた次の瞬間
 「ぎゃああ!まいったぁ〜」ってことになりました。
 「相手に構えさせれば、こちらの勝ちだよ♪
  空手に構え無し!」
 「先生!そんなのずるいですよ〜」
 「相手の体に突き蹴りを入れることばかり考えていてはダメだ!
 剣道の小手に相当する技術を研究しなさい!!」といわれました。先生の手の動は、まさしくハ
ブでした。

私が構えた瞬間に、合気道の三ケ条のように前手の指を掴まれ、指関節の逆を取られました。
(ToT
 その先生の手の動きが、一瞬にして伸びてきて蛇(ハブ)が大きな口を開けてガブッと相手の手
に噛み付くように見えます。
 実際には見えないほど早かったです。
 先生はこの技を得意としていました。
 相手が知らなければ簡単にかかりますよね。


受身投げ
>コンクリに布張った床に受身のタイミングが狂って腰から落ちるわ・・・
 ご苦労様でした。大変でしたね。
 ところで「受身」で思い出しましたが、私のオリジナル技ですが、受身の動作を使った技を開発し
たことがあります。

 あるとき「試合や実戦で出る技は、最も多く練習した技ではないか」という仮説を立ててみまし
た。
 であるならば、「例えば柔道で最も多く練習する技はなんだろう」と考えたときに「受身!」と頭の
中に閃きました。

 でも、「受身」は投げ技ではないし・・・!!!!「できた〜♪」
 前受身、前方回転受身、後ろ受身、横受身、左右受身について「表裏の2通りの投げ技」の開
発に成功しました。
 さっそく試してみるとバッチリでした。
 このとき思ったのが、自分のオリジナルの技は練習の必要が無いということです。
 既に自分の中に完成されたものが、閃きとなって出てきたように感じられました。

 のちほど、何人かの人に教えてみましたが、受身がちゃんと出来ていない人は教えても出来ま
せんでした。
 受身の完成度を測るためにもこの「受身投げ」は有効だと思っています。


反則じゃないよ♪
ちょっと趣向を変えて、柔道の体験談を話します。

後に控えている試合のために体力を温存したかったので、手抜きの試合をしようと作戦を立てま
した。(^^;
相手が襟を取ってきたと同時に、合気道の二ケ条の応用技をかけたら相手が泣いてしまいまし
た。

すぐに審判が止めにはいり、私に注意をしようとして「どうやったんだっ」と凄んで聞いてきたの
で、技の説明をしました。
 もちろん、反則にならないように手首関節をはずして賭けているので、反則を取ることも注意も
できずにすご〜く嫌な顔をして「その技は使わないように!」と禁じ手にされてしま
いました。

「げ〜!それはないだろう!」と思いましたが、父の話を思い出して取りあえず試合を続行し、足
払いで勝ちました。

本当は、その二ケ条の応用技で相手を崩し、脇固めで極めて一本とろうと思ってたのですが・・・

相手を泣かしてしまった技の解説

相手が右手で襟を掴んできたとき、左手で相手の右手首を下から握り、時計回り捻りながら、右
手で相手の前腕を自分の胸に引き付けて極めます。
 文書では難しいので、うまく伝わるかわかりませんが・・・

この技は、私の父が昔柔道の試合の最中に使い、審判であった三船十段が反則をとろうとし
て、三船十段と父が試合の最中に口論となった技です。
 結局、三船十段は反則を取れなかったそうです。



最初の空手の師に釵を習ったとき、たまたま場所が柔道場でした。柔道場には、畳がしいてあり
あます。
 師は「釵はこうやって振るんだ!」といって凄いはやさでクルクル回しだしました。
 「あっ」といって釵を落としてしまい・・・・皆で顔を見合わせました。
 畳に刺さっている釵を引き抜くと、柔道用の畳に穴が空いているのを見て
「おい、お前ら。黙っていろよ!」


ヌンチャク
最初の空手の師にヌンチャクを習ったとき、たまたま場所が剣道場でした。
 剣道場には、打ち込み練習用の防具を付けた人形があります。
 師はその人形を持ち出してきて「ヌンチャクはこうやって振るんだ!」
 といって胴にヌンチャクを当てました。
 パカーンという凄い音がして・・・・皆で顔を見合わせました。
 胴にでっかいひびが入っているのを見て
 「おい、お前ら。黙っていろよ!」

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